おしえてムーラン

瑕疵担保責任─ 新築住宅と中古住宅 ・土地の違い ─

注文住宅を建てる時も、中古住宅や土地を購入する時にも、契約書に「瑕疵担保責任」という言葉が出てきます。“瑕疵”とは“キズ”といった意味ですが不動産の契約においては、その注文・購入をする人が契約の目的を達成するのに不具合、不都合なことという意味になります。但し、この「瑕疵担保責任」という言葉、注文住宅の場合と中古住宅・土地の場合では法律上の扱いが異なっています。注文住宅は文字通りお客様の注文によって建てられるものであり、こうしたときの契約は「請負契約」に該当します。中古住宅や土地は、「売買契約」です。民法では、この「請負」と「売買」の場合の瑕疵担保責任の適用法を異なる形で定めていますが、更に新築(注文・建売共=請負・売買共)の場合に限っては、民法の大原則だけでは消費者保護を図るに十分ではないとの考えから「住宅の品質の確保に関する法律(品確法)」によって注文・購入者の保護を厚く 定めています。

注文住宅の場合は…
注文住宅や新築建売住宅は、前述のように品確法が適用され、主要構造部や雨水の侵入を防ぐ部分については、引渡から10年間、注文・購入者は保証を受けられることになっています。
中古住宅・土地などの場合は…
この場合、①契約形態は「売買」になり、②売主が業者に限られないことになります。又、新築と大きく異なることがあります。例えば、購入しようと思った中古住宅に明らかにわかるキズがあったり、“ボイラーが壊れている”や“事故物件だ”という説明を受けそれを了承して購入する場合、これらの物理的・心理的なキズは“瑕疵”には含まれません。新築建売を除く「売買」の時は“見えざる瑕疵”に限定されます。又、前述のように売主が業者か否かによっても扱いが異なります。ア)売主が業者の場合は、引渡から2年間瑕疵担保責任を負います。但し、見えざる瑕疵に限られます。イ)売主が業者以外の場合は瑕疵担保責任を付すのは義務ではありません。したがって付されていない場合は、購入後に不具合を発見しても原則的には何も言えません。但し、売主がその物理的・心理的な瑕疵を故意に隠していたことが明白な場合は、信義誠実に反しますので、購入者は契約の解除・損害賠償を求めることができます。業者以外の売主物件で瑕疵担保責任を付すとき、その期間にも法的な定めはないですが、期間内に購入者が発見した不具合については、売主の故意・過失を問わず求償することができます。業者でもなく、義務でもないのに瑕疵担保責任をつけてくれる売主の物件は、購入者にとってはありがたいものだと言えます。

このように、新築か、請負か、売買か、又、売主が業者か否かで扱い方が異なります。 契約の時にはこの瑕疵担保責任も含め、聞きなれない言葉が多く出てくると思いますが、少しでもわかりづらいことがあったら、必ずご確認下さい。

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