「住宅ローンを支払っている間に万が一のことがあったら…」その後の家族の生活を心配する人も多いと思います。住宅購入をする際に利用する住宅ローンですが、金融機関から借りる際には各種審査と共に、団体信用生命保険に入れるかどうかが問われます。団体信用生命保険とは、住宅ローンを返済途中に借主が死亡、もしくは高度障害状態になってしまった時に、ローン残債が保険金で清算されるものです。残された家族はその後のローン返済を心配しなくてすみ、住居費は固定資産税などの維持費のみということになり、生活にかかるお金の負担は少なくなります。
民間の銀行では『団体信用生命保険に加入できる』というのが住宅ローンを借りる際の条件になっていることがほとんどです。つまりは、現在の健康状態に問題がないことが条件になります。通常の生命保険と同じく、「最近3ヶ月以内に医師の治療を受けたか」、「3ヶ月以内に手術や入院があるかどうか」など “健康状態の告知” をすることが必要です。フラット35を利用する場合は、団体信用生命保険に加入しなくても融資を受けることはできます。ただし、万が一あったことを考えてみると…やはり加入しておいた方が良いと考えます。最近の団体信用生命保険の傾向としては、がん保障、つまり、がんと診断されたら以後の住宅ローンの残高が0円になるものや、三大疾病(がん・脳卒中・急性心筋梗塞)、三大疾病+五大慢性疾患(高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎)を保障するというように保障範囲が拡大しています。ただ、気をつけておかなければいけない点も多くあります。がん保障であっても、「上皮内がん、皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がん」は支払いの対象にならないことや、保障開始はローン実行日から91日目から(90日間は免責期間)であること、三大疾病のうち脳卒中・急性心筋梗塞は「所定の状態が60日以上継続していると医師が診断した時」というように適用の条件が厳しくなっていますし、保障開始はローン実行日から3ヶ月を経過した日の翌日(3ヶ月間は免責期間)になります。また、五大疾病に関しては就業不能状態が12ヶ月を超えて継続した場合というように、診断されたからといってすぐに住宅ローンの残債がなくなるのではないという点に注意が必要です。
健康状態が万全ではなく、団体信用生命保険に加入できなそう…という場合には、ワイド団信(引き受け基準緩和型団体信用生命保険)もあります。こちらは金利が0.1%~1%上乗せされますが、糖尿病、高血圧症、肝機能障害などの持病を持っている方でも加入できるようです。がんに罹患する方が増えてきている中で、がんによる闘病生活、復帰したとしても今まで通りに働くことができなくて収入が下がるケースが多いです。高齢になるにしたがってがんに罹患する確率は高くなってきますので、がん保障はあって良いのかなと感じています。生活や健康の心配事は尽きなく、すべてを保険で賄おうと思ってしまいがちになってしまいますが、上乗せの金利分は決して安い保険料にはなっていないと思いますので、三大疾病や五大疾病に関しては保障内容をしっかり吟味した上で選んでいくことが大切です。