日常生活でのコンビニエンスストアの利用や、飲食店でのテイクアウトなど、キャッシュレス決済の方法が多様化してきている中、まだまだ現金での支払いは多いものです。
では、あなたが今使っているお財布に入っている千円札に描かれている人物は、誰が描かれているでしょうか?すぐにパッと思い浮かびますか?今、私たちが使っている千円札は、「野口英世」ですね。2004年に科学者として初めて日本の紙幣に採用されています。ちなみに、裏面には、富士山と桜が描かれています。
2004年から新紙幣になり、早18年。私たちが安心してお金を使うためには、信頼されたお金であること、つまり、偽造されたお金が市場に出回らないことが大切です。最先端の技術を使って偽造されないようにすること、また時代の流れもあり、誰にとっても使いやすいユニバーサルデザインを採用した紙幣に変更することが発表されています。
では、いつから新しいお札を私たちが手に取って見ることができるのでしょうか?新札の発行時期は、『2024年度上期』となっていますので、あと2年後には手に取って利用することができそうです。新札に描かれることになる人物は、一万円券「渋沢栄一」、五千円券「津田梅子」、千円券「北里柴三郎」です。お札の人物はどう選ばれるの?という疑問があると思いますが、日本国民が世界に誇れる人物でよく知られていて、偽造防止の目的から、精密な人物像の写真や絵画を入手できる人物である、などの理由を元に明治以降に活躍した文化人から選ばれているそうです。
新一万円札の表面に描かれることになる渋沢栄一は、大河ドラマ「青天を衝け」をご覧になっていた方は身近かもしれません。現在のみずほ銀行や東京商工会議所、東京証券取引所など、約500社の企業などの設立・経営に携わり、「日本資本主義の父」と称されています。ちなみに、裏面には、東京駅(丸の内駅舎)が描かれることになります。国指定重要文化財である丸の内駅舎は、平成24年に創建当時の姿に復原されています。青森と東京をつなぐ玄関口になりますが、とても素敵な建物ですよね!
新五千円札は津田梅子。日本で初めての女子留学生として、岩倉遣外使節団とともに幼くしてアメリカに渡った方で、現在の津田塾大学の創立者です。英語教育や個性を尊重する教育など、女子教育の先駆者となりました。裏面には、フジ(藤)が描かれます。新千円札は北里柴三郎で、「近代日本医学の父」として知られる微生物学者・教育者です。ペスト菌を発見、北里大学、慶応義塾大学医学部、日本医師会などの創立者でもあり、青森県十和田市には北里大学十和田キャンパス(獣医学部など)がありますので、ご存じの方も多いかもしれません。裏面には、葛飾北斎の富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」が描かれ、浮世絵の荒々しい波の様子は、一度は目にしたことがあるものでしょう。
これらの新しいお札になるまでに、あと2年。普段使っている、野口英世の千円札、五千円札の樋口一葉、一万円札の福沢諭吉を見るのももう少しということになりますので、少し意識しながら使ってみたいと思います。
また、500円貨幣は、令和3年11月1日から新しいものに少しずつ切り替わっているようで、こちらも最新の偽造防止技術を用いて変化をつけています。表面は、500円の数字の「00」部分が、ゼロの真ん中に、上から見ると『JAPAN』の文字が浮き上がり、下から見ると『500YEN』の文字が浮き上がるようになっています。裏面は貨幣の淵あたり、東西南北の方向に、500YEN(東西)、JAPAN(南北)の文字がそれぞれ追加されます。淵の部分は「異形斜めギザ」が採用されて、ギザギザ部分が均等ではないところができています。
お金は、時代と共に最先端技術を取り入れながら進化してきています。20年くらい前に携帯電話ができ、10年くらい前にはスマートフォンができて、その中でお金の決済ができるようになり、国際的な送金にはブロックチェーン技術が使われるようにもなってきています。ただ、現金としての紙幣や貨幣はまだまだ日常生活に使われると思いますので、新しいものがお目見えすることを覚えておいてください。お金の100年後、どんな変化を遂げているのでしょうね。