おしえてムーラン

今年の路線価と今後の動向予想

路線価と公示価格

7月1日に今年の路線価が発表されました。路線価は相続・贈与があった際に評価の基となる価格で、「路線価図」という地図の道路上に書き込まれています。3月に発表された公示価格は、土地取引の際の指標(目安といった意味合い)で、各地域の標準的な地点における価格を表すのに対し、路線価は、いわゆる市街地には大抵付されています。公示価格は国土交通省が、路線価は国税庁がそれぞれ発表しますが、どちらもその年の1月1日時点の価格を表しています。ただ、その価格は同じではありません。先述のように公示価格は土地取引の際の目安ですから言い換えれば“相場”みたいなものです。それに対し、路線価は課税するときの評価の基になるものです。“相場”で評価し、それに課税すると税負担が重くなることが考慮されていて、路線価は公示価格の8割程度に抑えられています。

今年の青森の路線価は…

地元新聞の見出しには、青森市の最高路線価地点である「新町通り」が再び下落したことが記されていました。これだけ見ると、人口減少問題と相まって“下落の一途”の印象を抱きがちですが、先述のように路線価も公示価格もその価格時点は1月1日です。したがって、公示価格で発表されたものと同様、青森市の浜田の一部は上昇していますし、住宅地では横ばい地点も見られます。

今後の地価動向は…

全国的に見ても「地方から都会へ」「郊外から街中へ」の流れはしばらく続くと思います。昭和の時代からの中心市街地は、以前のような商業集積地としての色合いが薄れがちではありますが、人間が造っている街並みは時代とともに変化してきましたし、当たり前にこれからもそうだろうと思います。各地域がゆるかやにその役割を変化させていくことになりますが、今しばらくは、本年同様に商業施設等の利便性が高い地域に近接している地域では横ばい、郊外で徒歩圏内に商業施設が乏しい地域では下落ーという傾向が続くと思われます。

土地売買の際、考えることは…

これから土地を購入しようとしている人には気の早い話かもしれませんが、土地の購入には資産の購入という側面がくっついてきます。買おうかなと検討中の土地をもし買ったとしても40年、50年後には売却することになるかもしれません。資産価値が最重要点ではないにしても、40年、50年後の街並みを想像し、その時にこの土地は魅力を向上・維持できているのかを考えてから購入意思を決定すれば、より満足度の高い土地探しになると思います。売却しようとしている人にとっても、今後の街並みの変化の中で、その土地の魅力がどのように変化し、それが売却価格にどのように反映されるのかを考えることは重要になります。売主が少しでも高い価格で売りたいのは当然ではありますが、“昔は高かったのに”という考えにとらわれるのは得策ではありません。将来の価格はどうなるのか、それは現時点の価格と比べてどうなのか、そこをよく考えることが最も大切だと思います。

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