住宅購入については様々な税制優遇などがありますが、その制度・具体的な適用は毎年のように変わっています。2月に入り、これから住まいの購入に向けて行動しようとお考えの方もいらっしゃると思いますが、今回は今年の「住宅ローン控除」と「住宅資金贈与」の2点に触れてみます。
住宅ローン控除について
毎年、細かい点がよく変わるのが、この住宅ローン控除です。住宅ローンを借りた場合、年末の借入残高の1%について、10年間にわたり所得税から控除されます。税金が安くなるパターンは、①課税対象の評価を下げる、②支払う税金そのものを減額する、の2つがありますが、住宅ローン控除は②のタイプになります。“所得税から”と記しましたが、支払うべき所得税以上に控除可能な時は、住民税からも引くことができます。1%を10年間ですから、ザックリと言えば、借入額の10%近くに相当する分の税金を払わなくて済む制度です。仮に2,000万円の物件を全額借入で購入した場合、10年間で200万円近くの税が免除されることになりますから、1,800万円強で購入したのと同じ――と考えることもできます。但し、中古住宅を購入する場合で建築されてから20年を超えている物件の場合(耐火建築物の場合は25年)は、この制度の対象外になります。又、“新築や買取再販業者からの購入の場合”と、“個人間売買の中古住宅の場合”では扱いが異なっています。新築・買取再販業者からの購入の場合この場合のローン残高の上限は4,000万円、認定長期優良住宅等の場合は5,000万円になります。したがって、最大控除額は10年間の合計で400万円(認定長期優良住宅等の場合は500万円)になります。個人間売買の中古住宅の場合不動産業者が業者以外の個人の仲介をしたり、直接個人間で取引した場合ですが、この場合のローン残高の上限は2,000万円、最大控除額は200万円となります。
住宅資金贈与について
親などから住宅購入、建築資金として贈与を受けた場合の優遇制度です。通常、贈与の年間非課税枠は110万円ですが、親から住宅購入目的で資金の贈与を受けた場合は、非課税枠が700万円に拡大されています。省エネ性・耐震性などにおいて一定の基準を満たした住宅を購入するときは、その非課税枠が500万円加算され1,200万円となっています。「あれ、以前より非課税枠が小さくなったんじゃないの?」と思われた方もいらっしゃると思いますが、この制度は消費増税を先送りしたことによって、“増税しなかったんだから、非課税枠に関しては控えめに”という感じになっています。したがって現在のところ、この非課税枠の適用は消費税増税予定期日直前の2019年3月末までと予定されています。2019年4月以降の非課税枠は、今700万の非課税枠が2,500万円まで拡大される予定です。
最後に…
現在は、金利水準がきわめて低く、住宅の建て時だ――という新聞・雑誌の記事を多く見かけます。客観的に見てその通りだとは思いますが、何より大事なのは、その人、その家族にとって最適な時期か――ということだと思います。いつ住宅を購入するのが、自分、家族にとって最も幸せに時を過ごせることになるのかを家族みんなで話し合ってみて下さい。