おしえてムーラン

人生は『株価チャート』に似ている?

FPとして、ライフプランセミナーをする際に、参加者の方に実際に自分自身の手でライフイベント表を作成してもらう機会があります。ライフイベント表とは、今の年齢から5年後、10年後など予想される出来事(住宅購入、車の購入、仕事の独立、子供の進学・就職など)を実際に記入してもらい、確認してもらうもので将来について予測することができるものです。それと似たようなもので、過去を振り返りながら、就職や転職の際に自己分析ツールとして利用する、ライフラインチャートがあります。今までの人生を「幸福度」という尺度で、1本の曲線で表現するものです。曲線が上がっている時は満足感が大きくなっている状態、曲線が下がっている時は不満だった状況で、その時にどう乗り越えたかなどを考えるきっかけになるものです。
 ライフラインチャートを踏まえて自分の人生を振り返って考えてみると、良い時もあれば悪い時もあり…と、皆さんも生まれてから保育園・幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、就職などを思い出してみると、気持ちの面では山あり谷ありだったのではないでしょうか?ライフイベント表やライフラインチャートから考えると、人生は『株価チャート』にも似ているような気がします。その株価チャートはというと、1日、1週間、1ヶ月、1年といった期間の株価をグラフ化して見やすくしたものです。例えばある企業の価値でもある株価をある一定期間の値上がり値下がりの流れを見ることができます。
 歴史を紐解くと、世界の株価の大幅下落が見られた出来事として、1929年の世界恐慌、1987年のブラックマンデー、2007年のサブプライム・ショック、2008年のリーマン・ショック、2020年の新型コロナウイルスによる暴落などがあります。記憶に新しい新型コロナウイルスの世界的な大流行では、日々、世界的に株価が下がっていき、私もひ
やひやしながら株価や投資信託の基準価額などを眺めていたように思います。
 一時的に大きな下落で大きく損失を被る可能性もありますが、その下落場面で恐怖がありながらも投資信託を積み立て続けた人や上手く立ち回れた人は、上手に資産を増やすことができたかもしれません。人生で考えていくと、その時はどうしようもなく暗くネガティブに考えてしまい、人生が終わってしまったかのような気分になることもあると思いますが、時間をかけてでも何かに挑戦しみたり、自分磨きをしていくことによって、その後の人生に少し輝きが出てくることもあると思います。
 私自身は20代後半の時期、平日の午後3時くらいに愛犬のチワワの散歩をしながら、「ファイナンシャル・プランナーの資格で仕事をしている人もいるようだけれども、どうやって活動していけばよいのだろうか…、あと、今の時間はみんな仕事をしていてビジネススキルや経験を積んでいるはずなのに自分は…」という不安にさいなまれながら生活していた記憶もあります。ですが、ファイナンシャル・プランナーの資格を取得でき、多くの有資格者の方々と出会うことによって、いろいろな方法で資格を活かしながら仕事をしているのを目の当たりにし、一緒に仕事に参
加させてもらったりなど経験を積ませてもらいながら、現在は、多くの人の前で講師としてお金の知識をお話させていただく機会を得ていたりします。
 人生は一辺倒に『右肩上がり』が好ましいと誰もが思うものですが、人生の谷を経験していない人を探す方がだいぶ難しいのではないでしょうか。良い時もあれば悪い時もある、そして良い時が少しでも長く続くように、家族や周りとの人間関係、仕事、社会的な役割などを含めて、健やかに過ごせるように努力していかないといけないのかもしれません。人生100年時代を大局で見て上昇トレンドの株価チャートのように、『上がり下がりはあったけれども良く考えたら右肩上がりの人生だった!』と思えるように、一日一日を大切に過ごしていきたいですね.

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