自分の身近な人やまわりの人とお金の話をする機会はあまり多くないとは思いますが、どんなお金の使い方をしているか、どんなお金の考え方を持っているか、気になったことはありませんか?お金についての青森県の特徴を見て取れるものに、「金融リテラシー調査」があります。金融リテラシー調査は18歳以上の個人を対象に、お金や金融に関する行動の特色を把握するため、金融広報中央委員会が実施するアンケート調査です。調査時期は2019年3月、18~79歳の全国25,000人を対象にインターネットで実施されました。私たちの住む青森県では、260人が対象になりました。内容は金融知識・判断力を問う正誤問題と、行動特性・考え方を答えてもらう調査ですが、今回は青森県民の『行動特性・考え方』を見てみたいと思います。
家計管理の問題では、例えば「1か月の支出の金額を把握していますか?」という問いに、①把握している ②把握していないのように答えてもらいます。1ヶ月の支出を把握している人の割合は75.8%で、全国で見ると第7位という結果でした(第1位 島根県)。次に「病気、失業、不景気等の万が一の事態に備えて3か月間分の生活費を確保してありますか?」という問いについては、①確保している ②確保していない ③わからないという選択肢でしたが、緊急時に資金を備えている人の割合としては45.4%の人しか備えられておらず、全国第45位という結果でした(第1位 香川県)。「定年退職後の生活費について、資金計画を立てていますか?」という問いについては、①計画を立てている②計画を立てていない という選択肢で、老後の生活費の計画を立てている人の割合が35.8%となり、第24位になりました(第1位 北海道)。一方、資産形成、資産運用にも関わってくる「株式を購入したことはありますか?」という問いに対しては、①購入したことがある②購入したことはない という回答の中で、実際に株式を購入したことがある人の割合は16.5%ということで、残念ながら47位となりました(第1位 徳島県で40.1%)。全国と比較すると東北地方が低い順位となっています。また、「10万円を投資すると、半々の確率で2万円の値上がり益、1万円の値下がり損のいずれかが発生するとします。あなたなら、どうしますか?」という問いでは、①投資する ②投資しない の回答で、青森県は『②投資をしない』が84.2%と第1位になりました。全国平均より6.9%多く、「損をしたくない!」と考えながら行動する人が多いということがわかります。
以上のような結果から、青森県民のお金に関する行動や考え方の特徴として、・1ヶ月の支出など家計管理を把握出来ている人はいるものの、長期的な目線での病気・失業・不景気になった場合の備え、老後の資金計画を上手く立てられていない人が多い・損失を避けたい傾向が強く、資産形成に必要な株式などの金融商品を購入する人は多くないという傾向が見られることがわかりました。また、その他の質問内容から、新聞・雑誌・テレビ・インターネットを利用して金融経済情報を全く見ていない人の割合が多い(第39位)などありますが、家庭で保護者から「お金の管理」について教わる機会があったと回答した方の割合は全国第8位と上位となることから、『学ぶ機会はあったにせよ、継続的にお金の知識について学ぶことができていない』傾向が見て取れます。その結果、お金の知識をしっかり身に付けられていないことから、長期的な計画を立て資産形成することに慣れていない、ということが言えるかもしれません。
人生100年時代と言われる中、お金に関わる青森県民の特徴を参考にしながら、自分自身やご家族の家計管理、将来のための備えや資産形成について考えてみて欲しいです。毎日、とは言いませんが、少しずつでもお金の情報に触れる機会を増やしていただきたいと思います。