先日、ドライブ中の出来事。「この車のパネルディスプレイ、すごいよね。センサーが外気温を感知して、夏でも冬でも室内の温度を設定温度に調整してくれるんだもんね」…と言われて気づいたことがある。昨今、各車メーカーが「自動運転」や「衝突防止機能」など、運転者をアシストする機能を紹介するコマーシャルがバンバン流れている。それだけではない。勝手に部屋を掃除してくれる掃除機や、煮る・焼く・蒸す・炒めるなどの工程を一気にこなせる電子レンジなど、家電の進化も止まらない。考えてみればこのような機能の進化は、インターネットなどのネットワークが普及されるようになってから、ますます勢いづいている気がする。そしてこの進化にはIoTの存在が欠かせない。…ところで、このIoTとは何なのか?これまで知っているかのように書いてきたが、言葉は知っていても実は内容をよく理解していなかった。IoTは「モノのインターネット」とよく言われているのだが、正直なところ、そういわれてもイメージができなかった。と、いうことで今回はこの「IoT」について考えてみたいと思う。
IoTは「Internet of things」の頭文字だそうだ。そもそもIoT環境を実現するには「センサー」「ネットワーク」「コンピューター」「アクチュエーター」という4つの要素が必要だ。つまり、「モノ+センサー」が成り立つことが前提となる。次に必要なのがネットワーク。センサーが取り込んだ情報をネットワークで運ぶためだ。ネットワークで運ばれたデータはコンピューターに取り込まれて解析される。解析されたデータを使い、例えば車内の室温が設定温度より上がったら下げるなどの制御を行うのがアクチュエーターの役割だ。では、私たちの毎日の生活にIoTがどのように関わっているのだろうか。実は以前よりすでに実用化されているものに「電動ポット」というのがある。これはたとえば離れて暮らす高齢の親が、センサーの組み込まれた電動ポットで毎日お湯をわかすことで、安否を確認できるというものだ。また、お留守番をしているお子さんやペットを見守るカメラなどもある。こういった利用は、ネットワークを利用して離れた場所から状況を確認できるというIoTの特徴を生かしたものだ。
ところでみなさんは「スマートハウス」という言葉をご存じだろうか?家中の様々なモノ(電気・ガス・水道など)を一元管理し、室内に設置されたパネルなどの画面上で利用状況を確認できる住まいだ。スマートハウスのような省エネ住宅に住むことで、現在と比較してどれだけ電気代などが減るのか、家計費を抑えることができるのかといった現実的なメリットを理解したり、体験入居できるような機会が増えれば、スマートハウスは今後今よりも普及するのではないかと思う。IoTの目的として一番大切なのは、そこに住む人のニーズに応えることであり、日々の暮らしの安心や安全をサポートすることだ。日本人は何かしらの不安を感じやすいという。できるだけ長い間自立して生活する上での「不安要素」を解決してくれるIoTを利用した製品が、今後増えてくれたらいいなと個人的には期待している。