おしえてムーラン

『つみたてNISA』の利用~住宅リフォーム・ 繰上返済の資金など~

結婚、出産、住宅購入、老後などのライフイベントに欠かせないお金。中古住宅を購入して新たな生活をしていたとしても、数年後に雨漏りがしてきたり、浴室・洗面所・トイレなど水回り、外壁を塗りなおさなければならなかったりと、少しずつリフォームしなければいけない箇所が出てきます。そのために「お金を貯めなきゃ…」と思っている人も多いはず。それらリフォーム資金として10年後に200万円が必要と見積もった場合や、住宅ローンの繰り上げ返済をするためにまとまったお金を作るためにも、2018年1月から始まる制度、“つみたてNISA”を紹介したいと思います。


“つみたてNISA”は年間40万円までの投資について、20年間、利益が出た分は非課税となる制度です。金融庁が厳選した128本の投資信託(12月6日現在)のうちから、自分自身で選んだものを少額から積み立てていくことができます。投資対象をいろいろなものに分けて、長い時間をかけてコツコツと投資信託を積み立てることでお金をゆっくりと育てていく、『長期・積み立て・分散』投資が実現できます。少額から月3.3万円まで積み立てることができるので、投資の初心者でも学びながら運用を体験できると思います。また、いつでも解約してお金を引き出せることもメリットです。私自身も運用しながら、銀行の口座から引き出す感覚で必要な時に必要な分を解約して利用しています。非課税のメリットを考えてみましょう。通常、投資して利益が10万円出た場合、利益に対して20.315%の税金がかかり、手元に戻ってくる利益分は79,685円になります。つまり20,315円が差し引かれてしまいます。この分はかなり大きいですよね!つみたてNISAは非課税なので、この税金分がお得になるわけです。この税金のメリットを存分に利用して欲しいと思います。


投資信託を選ぶ際に気をつけておいて欲しいポイントは、投資する対象(株式・債券など)、投資する地域(日本・先進国・新興国など)を上手く組み合わせることです。例えば新興国型の投資信託だけを積み立てるなど、一つの地域だけに絞ってしまう場合は、値上がりすれば良いですが、大切な資産が思ったより値下がりしてしまうことも考えられます。例えば日本、アメリカなど先進国、新興国と地域を分散しておけば、新興国が下がったとしても、日本・先進国の値上がり分で損益をプラスに保つこともできます。1996年から2016年までの20年間、ひとつの資産だけに投資した場合と、国内株式・外国株式・国内債券・外国債券の基本4資産に分散投資したものを比較した場合、分散投資をした方がリスクを抑えながら上手な運用ができるという結果が出ています。ぜひ、複数の投資信託を組み合わせる分散投資を心がけてください。取り扱い商品は各金融機関で異なります。次に信託報酬に気を配ることです。信託報酬は、投資信託を持っている間かかってくるコストですが、長期的に見るとこのコストが大きく運用成果に関わってきます。あるネット証券のホームページを確認しますと、日本・先進国・新興国で差があり、0.18%~1.6%と1%以上も異なります。例えば30歳~60歳までの間、月に2万円ずつ積み立てた時の信託報酬額の総額を比較すると、信託報酬が0.5%の場合は54万円、信託報酬が1%の場合は108万円と、0.5%の差ではありますが54万円もの差が出てきます。信託報酬が低いものが必ずしも良い運用をしている投資信託とは限りませんが、日々かかってくるコストだけで考えると長期的に見ても大きな差になりますので、信託報酬ができるだけ低いものを組み合わせていくことが大事だと考えます。


あくまでも投資信託で運用することになりますので、損失が出ることもありますが、今まで資産運用や投資には縁がなかったとしても、つみたてNISAの制度を利用して「お金にも働いてもらうこと」を意識しながら実践してみてください。この制度を上手く利用して、長期でコツコツと住宅リフォーム資金・繰上返済資金などまとまったお金を作ることも選択肢の一つになると思います。

関連記事はありません

PAGE TOP