おしえてムーラン

コロナ禍を乗り切ろう

このコラムは4月10日時点の情況に基づき記していますので、その点ご了承下さい。新型コロナウイルスが猛威を振るっています。生命の危機であり、経済的にも相当な不安を世界中に与えています。

まずは生命を“守り合う”こと

治療薬が開発され、使用されるまでは根絶しない限り、ウイルスの脅威は反復します。4月7日に緊急事態宣言が発令され、7都府県の住民に対する外出自粛、一部業種への営業時間短縮等の要請がされました。一定の効果は当然にあるでしょうが、その効果が表れた後に経済的不安の解消を重んじて要請の内容を緩めれば第二波はやってきます。生命を守ることと、経済的不安の解消の両立を図ろうとすれば、こうしたいくつかの波が来ることは当然に予想されます。波は来るごとに、次第に勢力を弱め、ゆっくりと終息に向かう―すなわち、目先の経済的不安を解消するためにコロナ不況を長引かせることになってしまう可能性は大きいと思います。現実的に世の中には、様々な人の、様々な事情や意見があって、完全に足並みを揃えることは不可能ですが、仮に不況が長引くことになっても、その間に生命を守る側面としての意義の変化は行われ、大事なことの優先順位の輪郭が、今よりも明瞭になると思います。私見とすれば、経済的不安にも当然に策は必要ですが、まずは生命を“守り合う”ことが一義であって、この意識の共有こそが収束に向かう最重要なことであると思います。

経済的不安と対応策

一部業種が感染拡大の温床として名指しされていますが、業務時間短縮等の要請に応じると経済的利益を得る機会を失うことになりますので、何らかの補償を求める声が起こるのは当然だと思います。しかし一方で、北海道でクラウドファンディングを利用した飲食店等の民間支援が行われ、この手法を千葉県柏市でも採用するなど工夫を凝らして難局に抗おうとする人たちもいます。また、経済的側面だけではなく、消毒液の不足に対し高知の酒造会社がアルコール度数77%の酒を発売し、消毒液の代替品として利用可能なものを市場に提供するなど、人間の英知と逞しさを感じさせてくれる話題も聞かれるようになりました。補償はされるべきではありますが、行政等に頼るだけではこの難局を乗り切ることができないのも現実です。誰かや何かの批判に費やす時間と労力を、自助・互助の方策を模索し行動に移すことにシフトしたほうが、余程建設的であって、人と人との間に生ずる喜びの増大につながると思います。

最後に…

4月8日には、今年の青森ねぶた祭りの中止が発表されました。とても残念ですが、比較的早い段階でこの発表をしたこと自体が英断だったと思います。全国各地の有名な夏祭りは数多くありますが、4月上旬であるこの時期に、他の地に先駆けて中止を発表したことは敬意に値します。このコラムを皆様が読んで下さっている5月に、少しでもコロナ禍が終息に向かっていると感じられる状態になっていて欲しいなと思います。まずは自ら、うがい、手洗いの励行と、濃厚接触を避けるような仕事の仕方の工夫を行っていきたいと思います。

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